砲撃亀はかく戦えり

カメックスと共に

アタルカレッドのすゝめ その2

0.はじめに

 最近使っていて割と感触のいいリストがあり、備忘録も兼ねてデッキ解説を残す次第。

 

1.アタルカレッドとは

 こちらの記事を参照していただけるとなんとなく理解できると思います。

 

101-fuyu-blastoise.hatenablog.com

 

2.デッキリスト

 元々は大阪の方でこのリストをずっと使っていた井岡さん(@CityTurtle)のものを踏襲しています。というかメインはほぼ同じ。

 サイドボードの一部を環境と使用感に合わせてチューンしています。



■メインボード(60枚)

・土地(21枚)

4《銅線の地溝》

4《カープルーザンの森》

4《踏み鳴らされる地》

2《岩山被りの小道》

2《バグベアの居住地》

2《ラムナプの遺跡》

1《反逆のるつぼ、霜剣山》

1《山》

1《耐え抜くもの、母聖樹》

・クリーチャー(22枚)

4《僧院の速槍》

2《鐘撞きのズルゴ》

2《フェニックスの雛》

4《炎樹族の使者》

2《探索するドルイド

2《リムロックの騎士》

4《無謀な奇襲隊》

2《砕骨の巨人》

・スペル(17枚)

4《熊野と渇苛山の対峙》

4《火遊び》

4《稲妻の一撃》

4《アタルカの命令》

1《ボーラスの壊乱者、ドムリ》

■サイドボード(15枚)

3《引き裂く流弾》

2《毒を選べ》

2《燃えがら蔦》

2《乱動する渦》

2《焙り焼き》

2《暴れ回るフェロキドン》

2《運命の神、クロ―ティス》

 

 最新で使っているリストは上記です。

 以前使っていたリストは盤面クロックに重きを置いていたのですが、最近は《稲妻の一撃》を採用したビートバーンに寄せたものを使っています。

 「ビートバーン型」を使っている理由としては、

・《厳しい試験官》、《グリッサ・サンスレイヤー》、《野茂み歩き》といったアグロにとってキツイクリーチャーを3点火力によって排除できる。

・中盤以降盤面が押し返されても本体火力によるバーンルートでライフを詰めることができる。

・サイド後、アグロ対策に寄せてくる相手に対して攻めの軸をバーンにずらすことで除去ムーブをスカすことができる。

顔面焼くの気持ちいい。

 

 ……などです。正直今の環境だと盤面アグロするよりバーンした方が強いと思います。ミッドレンジの雑多なクリーチャー群がアホほど強いせいで最後まで殴り切れないです。

 基本的な動きとしては「最速アグロでライフ詰める」→「相手が盤面確保や対応に追われている間に本体火力をぶん投げる」をしていく感じ。上下から挟んでいきましょう。

 

3.カード紹介

 各マナ帯に採用しているカードを簡単に紹介していきます。前回の記事から新規採用しているカードは少し掘り下げをば。

土地

 テンプレのもの(アタルカのデッキ数でテンプレって何?)のものより一枚多い21枚積んでいます。マナフラよりマナスクとマリガンで死にまくったので。魂力土地とミシュラでマナフラは誤魔化していきたい。

 

4《銅線の地溝》

4《踏み鳴らされる地》

4《カープルーザンの森》

 →赤と緑が出る土地です。2ターン目には緑を置きたいのでフル投入。ここはしばらく枚数変えないと思います。

 

2《岩山被りの小道》

 →赤緑の両面土地です。基本は赤で置きますが、緑が出ないときの緊急措置として採用しています。ただ後述の霜剣山を増やしたいので1枚に減らして運用する未来はある。

 

2《バグベアの居住地》

 →最強の赤ミシュラランドです。除去で息切れしやすいこのデッキにおいて、全除去の返しで打点を確保できるバグベアは超必須カード。なお、後半のタップインが致命傷すぎるので2枚採用としています。

 

2《ラムナプの遺跡》

 →顔面に2点飛ばす火力土地です。後半の最後の一押しに使ったりできる便利枠。

 

1《反逆のるつぼ、霜剣山》

 →マナフラ受けにもなる魂力土地。横並びできるカードでアタルカの命令との相性が抜群です。被り怖くて1枚採用にしていますが、コントロールにめっちゃ強い土地なので2枚採用も検討中。

 

1《山》

 →土地破壊をタダでさせないために基本土地枠です。

 

1《耐え抜くもの、母聖樹》

 →ディッチャ兼土地枠。土地渡すからやりたくないけど《一時的封鎖》を割るのが一番多い。何かと便利なので入れない理由もないかなとは。

 

クリーチャー

1マナ

4《僧院の速槍》

 →いつもの。果敢速攻1/2という安定したクロック要員としてフル投入。いつもありがとう。

 

2《鐘撞きのズルゴ》

 →ジェネリックラガバン。1マナ2/2の偉すぎる構成で奇襲隊との相性もいいため採用。何故か伝説なので被り事故はありますが、それよりバンバン投げていきたいので二枚の採用。疾駆能力もコントロール相手に強いのでめっちゃ重宝しています。

無限にスタッツが偉い

 

2《フェニックスの雛》

 →墓地から戻れる飛行速攻バード。空中クロックでブロッカー無視して殴れることも多く、《熊野と渇苛山の対峙》との相性もいい。ただクロックそのものは低めなので前述のズルゴと枠を分け合っています。イゼフェニ相手だとマジの雛鳥になるので注意。

アイドル枠。可愛いね

 

2マナ

4《炎樹族の使者》

 →いわゆる「奇襲隊パッケージ」の主軸。こいつと《無謀な奇襲隊》の組み合わせがあるから成り立っている。赤土地しかない時に緑マナを出せるのも偉いフィルターガール。なお中盤トップすると結構嫌な顔をする。

 

2《探索するドルイド

 →リソース要員。除去がない相手にはファッティまで成長させて殴るルートも取れるのが偉い。以前はフル投入していたが、ドルイドからドルイドが捲れた時にカード使いきれなくて悲しい顔をしたので二枚の採用。なんだかんだ強いしシェオルに引っかからないリソースはありがたい。

 

2《リムロックの騎士》

 →突撃おじさん。2マナ3/1の頭でっかち感もアグロ向けで、何より出来事能力がめっちゃ強い。1マナでクロック上げつつ奇襲隊の餌にできるのも良い。一枚で二枚分の働きをする出来事クリーチャーはオールインするアグロにとって非常にありがたい。

お伽噺感強くて好き

 

3マナ

4《無謀な奇襲隊》

 →このデッキを使う理由。他のアグロには無いズルができるのがコイツの強み。だいたい3マナあれば発動できるうえに炎樹族がいれば2マナで5点確保できるのが本当に凄い。みんなも「奇襲隊パッケージ」で気持ちよくなろう!

 

2《砕骨の巨人》

 →みんな大好き最強カード。本体火力にもなるクロック要員として採用。アグロミラーでハチャメチャに強い。対象取られると何故か2点飛ばすのもすごい。骨を砕いているどころではない。

 

スペル

1マナ

4《熊野と渇苛山の対峙》

 →アグロに入れない理由がない最強カード。最近は追放能力が活きる機会も多く、より重要度が増している。《踏みつけ》に当たるのだけが玉に瑕。

 

4《火遊び》

 →現存する火力で一番マシ枠。占術マナ事故回避できるのがありがたい。

 

2マナ

4《アタルカの命令》

 →最強呪文。2マナでやっていいテキストではない。回復阻止が沁み渡ることが最近増えてきたため、他のアグロに比べた強みなのかもしれない。

 

4《稲妻の一撃》

 →弱い稲妻。3点火力で厄介なクリーチャーを焼く。こいつを増やしたことでバーンルートを取れるようになり、攻めの方向性が広がった。ただカード自体としては普通に弱いので、いい加減上位互換出してほしい。

プロモの在庫がマジでない

 

3マナ

1《ボーラスの壊乱者、ドムリ》

 →九枚目の全体強化枠。マナ確保できる点や除去にも使える点が《野生の律動》より強い。相手に触られづらい強化カードとして採用しており、《バグベアの居住地》や《反逆のるつぼ、霜剣山》の起動用マナ確保にも貢献する。除去能力使う際はドムリの忠誠度が残るように使わないと強化なくなった状態で格闘が発生するので注意。

PWで一番好き

 

サイドボード(15枚)

3《引き裂く流弾》

 →青白クリーチャー絶対焼くマン。主に《帳簿裂き》対策として採用しているものの、《稲妻の一撃》と後述の《毒を選べ》も採用しているため三枚に抑えている。最近は《若き紅蓮術士》の採用数も増えているみたいなので、一枚は《石術の連射》に変えてもいいかもなとは思いつつ。

 

2《毒を選べ》

 →新進気鋭のディッチャ。ソーサリーながらも1マナで置物全般と飛行クリーチャーに触れるのは普通に凄い。絶賛流行り中の「ラクドス吸血鬼」がエース《血管切り裂き魔》に対して無理なく撃てるカードとして採用。青白コンに対しても飛行クリーチャーと置物両方に機能するのでかなり使用感がいい。しばらくは安定して使ってもいいかなと思った一枚。

地味に独創力メタ

 

2《燃えがら蔦》

 →イゼフェニへ圧をかける枠。青白コンの《一時的封鎖》も割りつつスペルを抑制できるので便利。緑入れるなら使わない理由が無いと思う。

 

2《乱動する渦》

 →電流デスマッチカード。主に「クイントリウスコンボ」や「《創案の火》デッキ」に対していれる。黒系デッキからも触れづらい置物として便利。ライフゲインも止められるのでシェオルドレッドの継続ゲインにも強い。ただ《失せろ》や《一時的封鎖》に当たってしまうのが割と辛いため、青白コンに対しての効果は懐疑的。他のカードに変えるならここ。「ロータスコンボ」の《出現の根本原理》を抑制できるのが結構偉い。

発見絶対殺すマン

 

2《焙り焼き》

 →5点除去枠。以前は《魔女跡追いの激情》を採用していたが、入れたいラクドス系にはクリーチャーが並ばないことも多く安定しなかったためこちらに変更。炎樹族から出る2マナで撃てるのがかなり偉い。陸上にしか当たらないために《血管切り裂き魔》を見れないのが悲しいが、他のクリーチャーにはかなり安定する。

飛行にも当たってくれ

 

2《暴れ回るフェロキドン》

 →みんな大好きフェロキドン。ライフゲインとクリーチャー展開を咎めるため「アブザン探検」に対して強い。ビートダウン系にも強く、威迫とスリップがかなり刺さるので二枚採用。「ラクドス吸血鬼」に対しては《熊野と渇苛山の対峙》と合わせて4/4にすることを心掛けたい(ソリンの+能力ケア)

ここ最近で急に絵柄が増えた人気者

 

2《運命の神、クロ―ティス》

 →トップメタに強い置物クロック。ラクドスやイゼフェニからはまず触られず、青白コンも《冥途灯りの行進》くらいでしか触れない。ライフを削る速度は遅いがロングゲームになりがちな対面では無類の強さを誇る。伝説ながらもゲーム内で引きたい寄りなので二枚採用。

 

他のサイドボード候補

《危険因子》

 →4点顔面or三枚ドロー。選択肢が相手にあるので常に弱いモードを選ばれる欠点はあるものの、どちらを取ってもアドになるバーンカード。サイド後にバーンルートを取る際に非常に強く、トップメタ三人衆(ラクドス、青白、イゼフェニ)に対しても効果的。シェオルが立っていたり《喝破》に弱かったりと目立つ弱みもあるので一旦抜けていたが、次の機会では《乱動する渦》の代わりに再採用してもいいかなと思った。

古き良きバーンカード

 

《ウラブラスクの溶鉱炉

 →置物クロック枠。対青白決戦兵器。今の環境ではアーティファクトが残りやすく、時間はかかるが安定したクロックになるので個人的には結構好きなカード。ただラクドスとイゼフェニは《コラガンの命令》や《削剝》、《兄弟仲の終焉》を採用しているため油断は禁物。枠が余っているならオススメです。

 

 

4.終わりに

 「アブザン探検」や「ラクドス吸血鬼」が隆盛している今の環境でアグロを使うのはかなりしんどいと思います。MOの大会結果を見ても結果を残しているのは「ボロスヒロイック」くらいで、横並びアグロに関してはマジで姿を消しました。「人間」が消滅するって相当だぞ。

 悩んだ結果このビートバーン型アタルカレッドを使っています。並行して「ボロスバーン」を使っていますがこちらもいい感じなのでそのうち紹介するかも。バーン戦術じゃないとマジできつい。

 最近はアグロクリーチャーがガチで弱く、《ゴブリンの先達》くらい再録してくれくらいには思っています。以下の記事で触れられている(2021年だけど)ように、強い1マナクリーチャーが増えればほんの少しくらいはアグロも強くなるのかなと思いつつ。

article.hareruyamtg.com

 

 ちなみに「ラクドス吸血鬼」はかなり無理の部類に入るので、個人的には他のデッキが減らしてくれるのを祈ります。対策は「吸血鬼に当たらないことを祈る」です。いやマジで。

 

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